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高音質オーディオのための音響パネル導入と効果の検証!

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室内に音響機器を設置して音楽を聴く場合に、音に対する影響が大きい要素としては、部屋スピーカーだと言われています。

つまり部屋の構造、材質やスピーカーを変えることによって、音は大きく変化してしまうということです。

ですので、オーディオの音を改善しようとする場合に、まず部屋やスピーカーから手をつけるというのがセオリーとなるわけです。

そうは言っても、家を新築するのなら別ですが、部屋のサイズや構造、材質を変えるということは簡単ではありません。

また、部屋の中に家具などの物を置くことによっても音は変化します。

今回は、部屋の音響特性を向上させるために市販されている音響パネルを設置してみて、音質への影響や音質改善効果を調べてみました。

ミキ
ミキ
音の良い部屋を積極的に作ってみようということですね!

音響パネル(音響拡散板)を使う目的を考察!

音響パネル(音響拡散板)とは、音を拡散させるような表面形状を持つ板で、積極的に音響特性を変化させるためのものです。

音響パネルを使用する目的は、主に以下の2つと考えています。

・部屋の音響特性を向上させる
・音を拡散させることによって残響音をコントロールする

1つ目の目的は、家具の代わりに音響専用のパネルを部屋に設置することで、部屋の音響特性を向上させることです。

家具はもともとオーディオ用に作られたものではありませんから、その材質や形状によっては音響に良い影響も悪い影響も与えます。

例えば、カーテンやカーペット等は吸音効果があるので、音をおとなしくする効果はあるでしょうが、デッドになりすぎて生気のない音になってしまいがちです。

逆に部屋に家具などの物がほとんど無い状態では、部屋の形状や寸法、壁の材質などによって好ましくない反射や共振が発生してしまい、音響特性が悪くなりがちです。

ひろ
ひろ
部屋の状態が悪いと、高価な機器が台無しになるんですね!

音響パネルは音を拡散させることによって、部屋自体の音響特性を改善する効果があります。

また、音響パネルは音を拡散させることによって残響音をコントロールするものですので、うまく使用すればスピーカー周辺に適度な残響を発生させ、スピーカーから発生する音を良好で心地良いものにすることができます。

Z103音響拡散板(音響パネル)を選んだ理由は?

これまで自室には音響パネル(音響拡散板)を設置していませんでしたが、部屋自体や家具の設置状況を考えて、部屋の音響特性を改善する必要があると思い、導入することにしました。

具体的には、右のスピーカーの側面外側が壁なのに対し、左のスピーカーの側面外側はフスマとなっていて、左右のスピーカーの側面の反射特性が非対称で好ましくありませんでした。

音響パネルはいろいろなメーカーから発売されていますが、大抵のものは1個10万円以上と高価なので、簡単に試してみるのが難しい感じです。

ひろ
ひろ
オーディオ用というだけで価格が1桁上がったりしますよね!

コストパフォーマンスが良さそうな音響パネルを探したところ、音工房ZのZ103音響パネルが2枚セットで3万円台で購入できるので、試してみることにしました。

Z103音響パネル

音工房Zの音響パネルを使ってみようと考えた理由としては、主に以下のようなことがあげられます。

①合板カットキットなので、他のメーカー品に比べ価格が割安
②ギターやウクレレに使われることがある響きの美しいアガチスの集成材を使用
③さまざまな溝のパターンを試し、最もフラッターへの効果が高く、響きが美しく、見た目も美しいパネルパターンを決定している
④パネル自体のチューニングが容易にできる

Z103音響パネルの組立

Z103音響パネルのサイズは幅505mm、高さ1200mm、厚みは50mmですが、足の部分は180mmあります。

右用と左用の2枚のパネルの部材が送られてきました。

パネルは合板をカットしたキットで届きますが、バックロードホーンスピーカーの組み立てに比べると工数が少なく簡単で、以下のような手順となります。私でも苦労せずにできました。

1.アガチス集成材の音響パネルが2枚に分割されているので、ダボ6か所を使ってボンドでくっつけ、クランプ、ハタガネ等で固定して1枚のパネルにする。
2.枠板(天地)と枠板(左右)をボンドで接着し、クランプ、ハタガネ等で固定する。
3.足用の底板に前後用の板をボンドで接着し、足を作る。
4.足と本体をビス4本でとめる。

2枚のパネルをボンドで接着して固定している様子

接着剤のボンドはタイトボンドを使用しました。

タイトボンドは15分程で固まって外せなくなるので、作業時間が短縮できます。

失敗したと思ったら、まだ動かせるうちに外して、ボンドを水に濡らした雑巾でふき取ってやれば、やり直しができます。

接着時にはみ出したボンドは、固まる前に水拭きしておくとよいですが、固まってしまった場合にはサンドペーパーで取り除けます。

この音響パネルには縦方向に多数の溝が配置されているのですが、この溝は一定方向を向いているわけではなく、違う方向に向いて配置されています

この溝の配置がノウハウということになるのでしょうが、メーカーでさまざまな配置パターンを試してみて効果が高く、見た目も美しいものに決定しているのです。

ミキ
ミキ
素人が適当に作ったパネルとは違うんですね!

Z103音響パネルの設置と視聴

完成した2枚のパネルをスピーカーの後方の壁面側に設置し、試聴してみました。

音響パネルを置く前に比べて、以下のような違いが感じられました。

・オーケストラで鳴っている多くの楽器の音のうち、これまで埋もれていて聞こえなかった音が良く聞こえるようになりました。ビオラや第二バイオリン等もしっかりと弾いていることがわかります。

・音に厚みが出て、平面的だったオーケストラの音が奥行方向に立体的な音になり、コンサートホールで聴いているような安定感が感じられます。

・バイオリンの響きの柔らかさが増してきたように感じられます。

次に、2枚の音響パネルを左右のスピーカーの外側に配置してみました。

左側のスピーカーの左側面から30cmほどの位置に1枚、右側スピーカーの右側面から30cmほど離した位置にもう1枚を設置してみました。

この配置にすると、スピーカーの左右の壁面状態の違いが音響パネルによってかなり解消されます。

その結果、以下のような効果が感じられました。

・左右のスピーカーの間に広がっているオーケストラの音の密度が上がったように感じられます。

・左右のスピーカーの音のバランスが変化したようで、これまでは音像が右側の壁寄りにやや偏っていましたが、こちらの配置のほうが左右のスピーカーの真ん中に音像ができて自然な感じがします。

今回は音響パネルが2枚だけですので、左右のスピーカーの外側に設置した状態で使用していくことにしますが、さらに2枚追加して、スピーカーの側面側と背面側に設置すればもっと良くなるような予感がします。

ひろ
ひろ
音響パネルの設置位置で効果が違ってくるんですね!

音響パネル追加の効果まとめ

音響パネルを設置した場合に感じられる効果として、以下の3つが確認できました。

・音響パネルの反射効果で低音域の量感がアップし、音に厚みが出て、立体感が良くなる

・左右の壁の特性を同じにすることで、音像の定位の偏りがなくなり、リスナー正面に定位する

・天然の木材が高音を乱反射させる効果により、心地良い響きを部屋にもたらす

全体的に良い効果が感じられますが、音に厚みが出て立体的になることと、拡散板の乱反射により、心地良い響きを生み出してくれるところが魅力だと感じました。

予算が許せば、音響パネルを追加することで、さらに音質改善効果がありそうです。

ひろ
ひろ
壁全体を音響パネルで囲むと凄い音になりそうですね!

ノイズ対策で余計な雑音を排除することも大切ですが、スピーカー周辺を含む部屋の音響特性を改善していくことも、良い音で音楽を楽しむためには重要だと実感しました。

高価なオーディオ機器を購入する前に、音響パネルで部屋の音響特性の改善を試してみてはいかがでしょうか。